かすたねっと:ろぐ

れちせんぱいのメモ

ちょっとファンタジーかもしれないので大目に見てね。

この記事

自分のことを好きなだけ話す Advent Calendar 2018 - Adventar の9日目です。

趣旨

インターネットが使えていることは当たり前ではないんです。※ただし技術的なことは喋れません。

 

仕事

技術職です。少し前までとあるネットワークの運用部門に居ました。

とあるネットワークの運用部門

国内伝送路(光ファイバ等、いわゆるバックボーン)の監視・保守・運用業務を担当していました。端的にWDMやADMなど光多重する伝送装置の運用です。イメージしづらいと思うんで、めっちゃ端折るとONUの向こう側の世界ってことです。OSI参照モデルでいうとレイヤ1~2がメインとなります。そこでは、電話交換の歴史から始まり、OTNでの伝送に至るまでの経緯を知ることができました。

多重化について興味があれば聞いてください。ある程度までは答えられます(そもそもなんじゃらほい、って感じだと思うので、「SDH/SONET」でググってみてください)。

 

体験できてよかったなぁ、と思っているのは

  • 冗長というもの
  • SLAの温度感

あたりでしょうか。

冗長というもの

シン・ゴジラ」という映画をご存知でしょうか。

あれ、めっちゃ東京を蹂躙します。通信屋さん目線でいうと「絶望」というほか無いんですけど、多分それでもインターネットはできちゃうんです。BCPっていうのがそういう災害時(巨大不明生物は災害でいいはず)でも、拠点を移し、これまでの事業を継続させるような計画です。そうそうそんな事態にはならないはずですが。

すげー極端な例なので、変えましょう。

一番身近なところだと別のキャリア、別の回線みたいなイメージです。

先日、記憶が新しいと思います。

www.softbank.jp

バックボーンの基幹系の部位で故障が発生した場合、収容数としての影響は絶大なんですけど、基本的には光信号喪失を検出(運んでるフレームのオーバヘッドのビット列に情報があります)したら瞬断:100msecとか1秒に満たない(ただしTCP/IPについては数秒切れることが予想されます)レベルで切り替わります(パケロス?ラグった?みたいなイメージでいいでしょう)。さらに大容量コアルータみたいな装置のラインカード故障出会った場合は切り分けがある程度容易です。そもそもカードが複数あって救済されたり、その局舎には予備機があったりで、瞬断レベルで活かしつつ、壊れたやつを交換すれば1時間もかからずに復旧するように設計されていると思います。

 

12月6日のSoftBankの障害については、大規模で長時間続きました。要因はソフトウェアの更新失敗( ソフトバンク、エリクソンのVirtual MMEとクラウドプラットフォームを導入 )のように言われています。

…それてしまったような気がする。

最初はiPhoneスマートフォンの故障を疑い、再起動やSIMの抜き差しを実施しました。それでも治らず…いくら待っても治らず。

弊タイムラインではスクショ付きで「SoftBank圏外」みたいなツイートが多く見られました。当たり前じゃん。って思われるかもしれないんですが、そもそも他のキャリア(docomoとかauとかIIJのようなものです)の回線があって(もしくはWi-Fi)、1つのキャリアの回線が落ちてもインターネットが出来るという体制です。先述のとおり、これも冗長です。

「利用料金が高くなるじゃん。」みたいな話ですが、そうなんです。お金をかけてでもサービスを享受したいというのであれば、お金をかけるべきなんです。慈善事業ではないので、お金がすべてです。

お金お金と言いたかったわけではなくて、日常に潜む「当たり前」には実はすごく多くの技術や人の努力があるんです。「SIM刺して電波掴んだらOK!ソシャゲ!!」が出来るのはそういうことの上に成り立っているんだと言うことを忘れないでほしいです(それで感謝はされなくても、せめて報われると思っています)。

  

SLAの温度感

「何時間障害が続いたかによって何%返金!」みたいなものです。

インターネットで商売をしているのですから、使えなければ死活問題なわけです。とてもシビアなもの、例えば「映像サービス」です。映像が乱れるとか嫌ですもんね。

お金を払っているのに見たいものがきちんと見られない、は利用者にとっては最悪の場合、解約を視野に入れざるを得なくなると思います。

如何に障害継続時間を短くするか(返金したくないという意ではありません)みたいなのが重要になってきます。復旧タイムアタックみたいなものです。

「そういう体制がありますよ、そのためにこういう価格設定なんですよ」みたいな売りなのかな、納得していただいて契約しているわけで守れなかった場合は「言ってることと違うじゃねーか!」って怒られるわけです。30分に一度は進捗がなくても状況を伝える(実際に障害点に駆けつけたりとかが大変)など、利用者には「何やってんだよー!」みたいなのを軽減してもらいたい、そういう努力や覚悟の現れがSLAだと思っています。

 

このページの片隅に

Twitterで「おっぱい!」とかツイートできるのは、実はすごいことなんです。

「当たり前」で片付けず、もっと誇っていいです。※好き勝手にやっても良いんですが、法と逆鱗に触れるようなことだけはしないようにしましょう。たぶん、トラックをひっくり返すより簡単で重いです。

 

いま現在はソリューション提案とかをやるSEをやっています。